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そこに技術があるから

当社は1966年に合成皮革の製造販売を主事業として創業された企業で、1996年からは湿式ポリウレタンレザーの製造に特化し、衣料、手袋、家具・自動車、航空機等向けの合成皮革メーカーとして、さまざまな製品の開発・生産に努めてまいりました。

 

こうした中で2017年に経営体制を持株会社化し、北米等において当社製品を独占的に販売していたUltrafabrics Inc.との経営統合を行いました。この経営統合によって、Ultrafabrics Inc.が収集したお客様のご要望や苦情、その他品質に関するフィードバックが直接、当社に届くことになり、製造開発の現場に活かされる体制となりました。

 

このような体制から得られた顧客からの幅広いニーズを反映し、当社独自の技術によって製造された湿式ポリウレタンレザーは、合成皮革の中でも最高グレードに位置付けられています。その特徴としては、多重構造と特殊な素材の組み合わせにより、軽くて柔らかな風合いとしなやかな感触を実現できることに加え、多彩な色やデザイン、さらに個々の顧客の用途やニーズに合わせた通気性や防汚性などの機能性も付加できることが挙げられ、これらの特徴により幅広い用途で採用されております。

 

製造設備につきましては、埼玉県行田市にある行田工場の1工場体制から、2016年に群馬県邑楽郡邑楽町に群馬工場を新設して2工場体制となり、2018年からは完全2ライン化も実現し、お客様に安定して製品を供給できる体制が整いました。

さらに現在、群馬県邑楽郡千代田町に3つ目の工場である千代田工場を建設中で、2025年には水の再利用や水素エネルギーの導入など、環境面に配慮した“サステナブル・プラント”として生産稼働する予定です。

 

品質管理面におきましては、1999年7月に取得していたISO9001に加え、2019年9月に自動車産業向け品質マネジメントシステムIATF16949の認証取得を果たしました。

IATF16949は、自動車メーカーに部品メーカーが製品を納入する際、この規格の取得を条件とされているケースが多く、この規格を取得したことにより自動車業界での信頼が向上し、グローバルな自動車産業への新規参入のチャンスが広がってきております。

 

商品開発の分野におきましては、Ultrafabrics Inc.との連携を深めたことにより、欧米のお客様が強い関心を持つバイオベース製品の開発などに積極的に取り組み、植物由来原料を活⽤した当社初のバイオベース商品「Ultraleather® Volar Bio」を開発し、2019年9月に発売を開始しました。

また2020年1月には環境マネジメント規格であるISO14001の認証取得をしました。この環境マネジメントシステムを継続的に運用・改善していくことにより、地球温暖化防止、循環型社会の実現に向けて努めてまいります。

 

「そこに技術があるから」私たちは革新的な技術や発想により新たな価値ある製品を生み出し、さらなる事業の成長を実現するとともに、サステナブルな社会の発展に向けて挑戦してまいります。

第一化成株式会社 代表取締役社長
中川 豊彦